リビングには灯りがついていて部屋が明るい。
「お...お母さん?帰って来たの?」
リビングのソファーに腰を掛けて座る、お母さんと知らない男の人が楽しそうに話をしていた。
男の人は三十代後半って感じだ。
お母さんは私の声に気付いて、
「あらっ結衣...居たの。つい今さっき帰って来たのよ」
「恭子さん。...この子が娘の結衣ちゃん?」
男の人がお母さんに聞く
「...そうよ。」
お母さんの返事を聞いて男の人は私の方に向き直す
「結衣ちゃん?夜遅くに突然押し掛けてゴメンね。」
男の人は申し訳なさそうに謝る。
「あっいぇ...大丈夫です。・・・お母さん、この人は?」
私はさっきからずっと気になっていた事を口にする。
私の言葉で思い出したかのように話し出す
「あぁ...まだ結衣には話してなかったわね。...こちら同じ会社で働いてて、今お付き合いさせていただいてる白石啓之さんよ」
「・・・え?」
さらりと言ったお母さんの言葉に驚きを隠せなかった。
「恭子さん、まだ話してなかったんですか?...初めまして恭子さんとお付き合いをしてます。白石啓之です」
・・・付き合ってる?
この人とお母さんが?
・・・冗談でしょ
