―クスッ
「まぬけな顔だな」
は?
なに今の言葉。
それに笑われた?
我に返った私は声の主を見る。
「あ....安藤...輝」
思わず動いてしまった口を急いで手で塞ぐ
そんな私を見て嘲笑うかのように
「なに...お前。俺のこと知ってんの?」
「・・・・・・・・・」
私がしゃべられないでいると
「えっ?!なになに結衣!安藤輝と知り合いなの?!」
心底驚いたような高い声をあげる瑠奈。
そりゃそうかも...
安藤 輝【Andou.hikaru】
顔が良くてスポーツ万能で有名。
それに頭も良かったりと...
女子が騒ぐのもわかる
私は喋った事がないから分からないけど、入学式のあの口の悪さ...絶対性格が悪い。
それに知り合いでもなんでもない。
「ちっちがうよ。なにいってんの...」
急いで訂正する。
「俺は知ってたけどね。...お前、鈴原結衣だろ」
「そうだよ。なんで知ってんの」
その言葉に驚いたけど平然を装い眉をつり上げながら答える。
「・・・フッ、当たり前だろ。同じクラスだし入学初日から遅刻してくる奴の事なんて嫌でも覚えてる」
人を見下しながら嫌味ったらしく言う
「な・・・っ」
顔がどんどん赤くなるのがわかった。
安藤は面白そうにしてる
「それとも何。俺がお前に気があるとでも思ったわけ?・・・残念。それは勘違い」
...っ!!
「べっ別に私は!」
―そんなこと思ってない!
