王子が猫に恋をした

本当に申し訳なさそうにしている槇原さんの見送りを受け、莉笑は惟人の部屋

に辿り着いた。




コンコン



立派な扉をノックする。



「水無瀬 莉笑です。………失礼します」



そう言うと、扉の向こうから惟人の声がした。



「は、入れ」



緊張しているのだろうか?

何かぶっきらぼう………。



ぶっきらぼうなのが、跡取りとして相応しい?



よく分からない………。