王子が猫に恋をした

猫かぶるのも、楽じゃない。

疲れる。ストレスがたまる。



槇原さんはまだ話している。



惟人様だから、遅れるわけにもいかない。
 


仕方なく、槇原さんに対して申し訳なさそうに話を止めた。



「すみません、惟人様からお呼ばれしているので………行ってもいいですか?」



もちろん、この時は困った感じの笑顔。



槇原さんはやっと話を止めた。


莉笑が、惟人から呼ばれているのに気が付いたのだろう。



「あら、ごめんなさいね、莉笑さん。惟人様の部屋に行ってらっしゃい。」