王子が猫に恋をした

惟人は言う事を聞かない子供に言い聞かせるように、ゆっくりと言葉を発する。

「・・・・・・最初はオレ、すごく楽しかった。だから莉笑は、オレに構わず何でも言え。・・・・・・莉笑の作り笑顔を見ていると、胸が痛くなる」



なん、で。

惟人様が苦しんでるの?


意味がわからない。



でも、何故か。


この人は大丈夫だ、と感じた。



莉笑は惟人から離れ、仮面を外す。

笑顔の欠片もない莉笑に、惟人は驚かない。


そんな惟人に心から安心し、少しそっぽを向き、頬をほんのり赤くしながら感謝の言葉を投げかける。



「・・・・・・ありがとうございます」


その恥ずかしそうな顔を見て、惟人は突然立ち上がり叫ぶ。


「何これツンデレ?!」

「バカじゃないですか?ツンデレじゃないです」


今日から、いつもと違った日常が始まるーーーーーーーーーー。