王子が猫に恋をした

人を傷つけたくないのに。反対な事をしてしまう。




その為には、仮面を被るしかなかったのよ。





莉笑は惟人の胸に手を当て、少し距離を取って俯きながら言う。


「出来ません。・・・・・・そんな事言って、最後は皆、私を裏切る」


その言葉は猫被りを肯定させる言葉だったが、今となってはもう、どうでもよかった。


惟人は強い光の宿った瞳で、俯いた莉笑を見つめる。


「オレは、裏切らない」

「嘘でしょう!」



いつの日か私は。

もう、誰の言葉も信じられなくなった。


私と居ると、必ず傷ついてしまう。




ねぇ。

ーーーーーーーーーー陵、私はどうすればいいと思う?