王子が猫に恋をした

「いいです。ーーーーーーーーーーそれは、妹と妹の周りの友人と、治していくものですから。男の子が、治してくれるんじゃないですかね」


一見冷たいようだが、確かに自分自身と闘い、治さなければいけないだろう。

でも、一人では到底抱えきれない。
そこで、友人の力が必要となってくるのだ。


「ん、じゃあ今度会わせてよ。莉笑の彼氏って紹介したいからさ」

「じゃあって何ですか。惟人様のことはーーーーーーーーーーあ、いえ。何でもないです。ダメですよ」


ちょっと、今のはヤバかった。

完璧とれてた猫被り。


額に冷や汗をかきつつ、ずっと同じ形だった足を動かす。

莉笑の怪しすぎる言葉については、惟人はこれ以上追求してこなかった。


その代わり、唐突に尋ねる。



「オレに、本当の莉笑を見せろよ」