王子が猫に恋をした

莉笑はやっていた洗濯の手を止め、笑顔で答えた。




「何ですか?」



すると槇原さんは鼻息を荒くして、



「莉笑さんに、惟人様からのお呼出しが!!」



「惟人様………ですか?」




この時は、惟人の事なんてあまり知らなかった。



知っていたのは、聞いた話で『成績優秀、スポーツ万能、イケメンと、西園寺

家の跡取りとして相応しい完璧人間』らしい。



それより、メイド長でも何でもないただのメイドの私が、何で?