王子が猫に恋をした

次に、惟人はプロフを包装したビニールを破り、ゴミ箱に捨て、莉笑に歩み寄っていく。


・・・・・・何か、緊張する。

ところが、惟人は緊張の色一つも見えない。


自分だけがなっているのだと感じ、少し嫌な気持ち。と、いうか、イラッとする。


惟人は初めて恥ずかしそうな顔を見せた。

「あげる。ーーーーーーーーーー今、書けよ?」

「え。今、ですか?」


するっ、と慣れた手つきで莉笑の背中に手を回し、軽く押す。


慣れてる。

すごく自然。


莉笑は押されるがままに立派な、いつものソファに座る。

その隣に、普通に腰を下ろす惟人。


自分の思い通りにしようとして。

ほんと、わがままなおぼっちゃまね。