『だった』って過去形なのは、今はそうじゃないんだ。

今までの経緯を見てくれている人なら分かると思う。



そう、莉笑が居てくれるから。

今は、自分の部屋に居るのが一番好き。

あれほど嫌だったこの家を、莉笑が居てくれることで良い所になれた。


でも、莉笑。
オレが告白してから、様子が変わってしまった。

初めは少し毒舌だなーと思った。でも、別にそれでも良かった。
でも、最近、笑うだけになってしまった。

そんな莉笑、嫌だ。
どうにか出来ないか・・・・・・。



コンコン。

不意に、扉をノックする音が聞こえた。

その音にハッとして自分の机を見てみると。
だいたい十分前から、“宿題”が進んでいなかった。


・・・・・・色々、思い出してたな、オレ。

最近の悩み事も。
最後の莉笑についての悩み事は、途中で中断されてしまったけど。


「惟人様」

後ろから、聞き覚えのある男の声がした。

あれ?と不思議に思い振り返ると、


「ん、黒崎ーーーーーーーーーーえ"ぇぇぇぇぇ?!」