王子が猫に恋をした

莉笑が悲しい呟きを無視して五秒後、


「ん!!」


惟人がいきなり立ち上がった。


「そうだ!アレ頼んでおいたんだ!!」


いきなり立ち上がって騒ぎ出す惟人に、莉笑は心の中で「一体何なのよ・・・」と思いながら、笑顔で応じた。


「か、惟人様、落ち着いて下さい。アレって何ですか?」


立ち上がって乱れた服を整えながら、惟人は莉笑の方に体を向けた。


「クラスで女子達が交換して、書いてたんだよ。それを、特注で頼んだんだ!」

「何ですか、それ・・・・・・」


全く検討がつかない。

私は成人しているとはいえ、学生の頃なんてそう遠い昔ではなかったハズだ。