王子が猫に恋をした

この眼を見て、莉笑は冷や汗をかいた。





だってこの、わがままな御曹司。



自分の意志を貫く為なら、何でもやりそうだから。




「・・・・・・いけません。旦那様が、悲しみますよ・・・・・」


惟人の意志は曲げられない、と確信したばかりだというのに、無駄な悪あがきをしてしまう。


惟人は『旦那様』という言葉を聞き、顔をしかめた。


・・・・・・旦那様のことが嫌いなの?
勘違いかもしれないけど、顔に出すぎです。