王子が猫に恋をした

「えっ、あ・・・・・・。いい、ですよ」



言ってから、莉笑は慌てて手で口をふさいだ。



惟人は嬉しそうににこっと笑った。




「じゃあ、これから"莉笑"な!」




嫌なハズだけど、惟人の笑顔を見ると、「まぁ、いいか」という気持ちになっ

てしまう。



きっと、『OKしないと立場が危うくなるから仕方無く』だろう。



自分にそう、言い聞かせた。