王子が猫に恋をした

何でそんなに名前で呼びたいのよ、惟人様!



少しイラついてきて、つい猫かぶるために隠してきた莉笑の性格が出てしまっ

た。




「……そこまで言うのなら仕方無いですね」



「おぉ、やっと折れたか」




莉笑は笑ったまま、ぺこりと頭を下げた。



「本日をもって水無瀬莉笑、この仕事をやめます」



惟人は思わず椅子から立ち、ビックリした表情でツッコむ。




「えええ?!そんなに俺から呼ばれるの・・・・・・イヤなの?」




最後の方が小さい声になっていた。



計算してだか分からないが、小さい声で聞かれ、莉笑はつい答えてしまった。