王子が猫に恋をした

「だっ、だから!ここに座れって………っ!」



そわそわしたり、イライラしたり、忙しそうな人だ。

どんな人なのか、確かめてみるかな。




そして莉笑は、何か言いたげな惟人向かって頭を下げた。




「すみません………間違えて惟人様の部屋に入ってしまいました」



「えっ?!ここでいいんだって!」




惟人は慌てた様子で莉笑に言った。



「間違いではなかったのですね………」



惟人はまた、莉笑に向かって騒いだ。



「何で残念そうなんだよ?!」



「そんな顔、してました?申し訳ございません」