幼い頃から、園長先生に抱きしめられることが多かった。
そのたびに園長先生の心音を聞いてきた。
私も自身の胸に手を当てれば、
身体全体で自分の心音を感じることができる。
園長先生と変わらない一定のリズムを刻んでいる。
なのに、この心臓はもう少しで枯れてしまう。
「お連れの方を呼んでくるよ」
「・・・・・・拓人は呼ばないでください」
「・・・わかった」
牧野先生も出て行って一人になった病室は、
私には寂しさを感じるくらい静かだった。
「ふっ・・・うぅ・・・」
これから先生が来るというのに涙が零れ落ちた。
我慢しろ、私。
ほんの少しだけ、我慢すればいいことなんだから。

