ふと、時計に目をやると
いつの間にか午後5時30分近くになっていた。
やばっ、今日練習すること園長先生に言ってなかった!!
早く帰って、準備の手伝いしないと!!!
「拓人、ごめん!私もう、帰らなくちゃ!!」
「え、あ、うん。ありがとね」
またふにゃとした笑顔で、『ありがとう』と見送ってくれた。
その笑顔を見るたびに、あの変な感情がわきあがってくる。
今日は、変なことばっかり。
しかも全部、拓人のこと。
もし、私に親友とかいえる存在がいたなら
相談することとかできたんだろうな・・・。
「ま、いっか・・・」
こんな感情、時間がたてばすぐに消える。
それまでの我慢だ。
私は、振り向きもせず真っ直ぐ前を見て歩いた。