「ふわあぁぁぁ・・・・ねむ」



盛大なあくびをして、まだだるさが残っている体を無理やり起こす。



正直言えば、まだ寝たりない。



寝ていたい。



だが、私が住んでいるここは『太陽の家』という孤児園。



そして、ここにいる子供たちを養ってくれているのが今年で89歳を迎える園長先生。



生まれつき心臓が悪いと言う理由で捨てられた私を拾ってここまで育ててくれた人。



私たちの親のようなものだ。



そんな先生に迷惑をかけるわけにもいかない。



だからいやでも、学校にだけは行く。



私は、布団から出るとまですやすやと寝息を立てているチビ達を
起こさないようにそっと部屋を出た。