「拓人、もうひとつお願い」 「何?」 「その曲、代わりに投稿してくれる?」 「いいけど・・・投稿文は?」 「『最後の歌声です』かな」 明らかに暗い顔をする拓人。 うん。 ごめん。 きっとそういう顔をするだろうとわかってて言った。 でも、きっと、これ以上は歌えないから。 「お願い」 「うん・・・」 パソコンの画面には、動画を投稿しましたと映し出された。