キミと見た景色をもう一度




拓人が鍵盤に手を添えて、旋律を奏で始めた。



とくに何の曲を歌うとかは決めていなかったけど、旋律を聞いてすぐにわかった。



車椅子に深く腰をかけていたのを少し浅めに座って、背もたれから背を離す。



旋律を聞いてリズムを体全体で感じ取る。



胸いっぱいに大きく息を吸い込んで、お腹の底から声を出す。



懐かしいなぁ・・・。



つい数ヶ月前も同じように歌っていたのに。



・・・あ、忘れてた。



そういえば、拓人が作った曲歌って録音はしけど何もしないで放置してたっけ。



まぁ・・・いいや。



今は・・・この瞬間を楽しもう。