「い・・・憂!!」 「!!な、何?」 「ボーっとしてたから大丈夫かなって・・・」 「へーき。何でもないから」 改めてこいつのことが好きなんて思うと、恥ずかしくなる。 でも、私の気持ちなんて知らない拓人はお構いなしにまた手を繋いできた。 「いくら夏になっても、まだ夜は寒いねぇ」 「う、うん」 また戻ってきた温もりと感触。 私よりも一回り大きくごつごつしている手。 寒いせいなのか少しだけ冷たい手。 「憂の手、温かいね~」 「あっそう・・・・」