「すっかり暗くなっちゃったねー」 「そうだね」 お母さんと別れた後。 月が暗い夜道を照らすなか、私と拓人は言葉を交わす。 「おばさんと、仲直りできてよかったね!」 「・・・うん」 どれもこれも、拓人のおかげだ。 拓人が私の背中を押してくれたから、前に踏み出すことが出来た。 ・・・繋がっていた手の温もりがまだ残ってる。 触れたときの感触も。 その全てが私を落ち着かせ安心させてくれた。 「・・・ありがとう・・・・」 小さく呟いた声が届いていたのか、拓人は満面の笑みを浮かべていた。