「拓人は・・・怒ったりしたことある?」 「僕?」 「うん」 ピアノから視線を外し、私を真っ直ぐ見る。 いつもそうだね。 人と話をするときは、きちんと相手の目を見てくれる。 「僕は・・・怒ったことないかな~」 「え・・・」 「憂もそうだけど僕達、重たい病気を抱えて生きてるでしょ? 周りの皆よりも長く生きられない。 それを知っているから、限られた時間を怒ったり泣いたりするより 笑って、楽しく過ごしたいなって思ったから」