先生は、嘘をつくときに必ず手で鼻を擦る癖がある。
今、先生が話しをしている中で鼻を擦った。
風邪を引いているわけでもないのに・・・。
もう、言ってしまおう。
「見たんですね。手紙」
「何のこと?」
「だって私、昨日の夜手紙を書き終わって
そのまま寝落ちしたんですよ?
それなら、部屋の電気はついたままのはずですから」
「・・・その通りね」
「それに、先生は嘘つくときに鼻をこする癖がありますから」
「17年も一緒にいると、お互いの知らないところを
お互いが知るようになるのね」
「全くです・・・」
料理をする手を止めこちらに振り返った先生は、
大粒の涙を流していた。

