「雛ちゃんに今日は夜景見せたる!」
「夜景?まじで?たのしみー」
私がきゃっきゃっしてると
健吾は私の頭をポンポンとやさしく
撫でてから車を走らせた。
今日の健吾は昨日よりも
私にやさしく紳士みたいだった。
だからすごく私も意識してしまって
ずっと恥ずかしいのとドキドキばかりだった。
一時間ぐらい車を走らせて
少し山を登ったところの駐車場に
車を止めた。
「雛ちゃん見てみ前!」
そう言われ前を見ると
さっきまでの真っ暗な景色とは違って辺り一面キラキラと光る夜景だった。
「わぁー綺麗〜‼すごいねー‼」
「喜んでもらえてよかった!」
健吾はそう言うと肘掛に置いてある私の手をそっと握った。
