すると、その中の一人が、慌てて私の肩に手を掛けて言った。

「ち、違うのよ!!」


違う?
何が違うって言うの!!
私はムッとした表情のまま、黙って振り返った。


「あのね…
あ、彩香がね…」


「彩香がどうしたのよ」

彩香は美玖と並んで、私と一番仲が良い友達だ。

話題が彩香の事だと分かり、私は更にムッとして言った。


「知らないの?」


「だから、何を!!」


「昨日の夜、自宅で自殺未遂をして、救急車で運ばれた事…」


「え……」

彩香が自殺未遂?
そんな話は、今初めて聞いた…
悩み事があるなんて、一度も聞いた事がなかったし。


「近所の子が、救急車が家の前に停まっているところを目撃して…

それで、集まっている人に理由を聞いたら、風呂場で手首を切ったって……

亜由美は一番仲が良いから言いヅラくて…
ねぇ、聞いてる?」

.