学校に着くと、メールの返信がない理由はすぐに分かった…


校舎の4階に上がり教室に入ろうとした時、妙に隣りのクラス前の廊下に生徒が多い事に気が付いた。

その光景を目にした瞬間、考えたくなかった事が脳裏に浮かんだ…


私は恐る恐る自分のクラスを通り過ぎ、その人だかりが出来ていた4組へと向かった。

近付くにつれて聞こえてくる言葉…


「…佐伯…」


膝がガクガクして力が入らない。
まだ何も聞いていないのに、涙が溢れて止まらない…



やっとの思いで隣りのクラスに辿り着くと、生徒達が話している内容が詳細に渡り聞こえてきた。


「佐伯さん…
左の手首をカッターで切って血が固まらない様に、雨の降る中その手を窓から外に出していたんだって。

新聞配達の人が、屋根から大量に流れる血を見付けて通報したらいよ。

でもその時には手遅れで、もうダメだったって…」


「うん。
自殺なんだってね…
そんな感じには見えなかったけど、人は見掛けだけでは分からないよね」


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