「ねえ亜由美~
そんな事言わないで…ね?」


そう言いながら擦り寄る彩香を制止し、美玖は厳しい口調で吐き捨てた。

「もう止めよう彩香…
亜由美は、私達より佐伯さんの方が大切になったのよ!!

行こう…」


「あ…うん。
亜由美、3人で秘密は持たない様に決めたのに…」

背を向けて教室を出て行く美玖の後を、彩香は慌てて追い掛けて行った。



私はクラス全員が教室を出て行った後も、自分の席に座ったままだった。


仕方ない事だけど、やはり親友と喧嘩別れしてしまった事がツラかった…

でも、私の為に2人を巻き込んで何かあったら悲しいどころでは済まない…


私はゆっくりと立ち上がると、誰もいなくなった教室を後にした。



校舎の外に出て空を見上げると、朝よりも更に雲が黒く厚みを増し…

今にも雨が降り始めそうな雲行きになっていた。


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