私はその薄気味悪い光景を目の当たりにし、慌てて扉を閉め布団に潜り込んだ。


私の気のせいなんかじゃない…
間違いなく今ここに、ミコが立っていたんだ!!


つい今まで気にも止めなかった車の水しぶきや、屋根から落ちる雨の雫にまでにもが突然怖くなり布団から出られなくなった。



やがてベランダを叩く雨音がしなくなった…

恐る恐る布団から顔を出すと、カーテンの向こう側は薄明るくなっていた。


夜が開けたのか…

布団から這い出しカーテンを少し開けると、黒い雲は厚くかかったままだったが、雨は止んでいた。



「遅刻するわよ!!」


「は…はーい!!」

階下から、いつもの母の声が鳴り響いた。

布布団に潜り込んでいるうちに、もうそんな時間になっていたなんて…


私は急いで学校に行く準備をすると、鞄を手にして階段を駆け下りた。



ショウゴが言っていた"雨"という言葉の意味を、私は少しずつ分かり始めていた。


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