その日の夜…
チャットに入る気にもならず、珍しく真面目に受験勉強をしていた。

県外に出る事を許されなかった私は、市内の女子大学に進学を決めていたし、余り真剣に勉強をする気もなかったのだ。


パソコンを開かない私は勉強くらいしかやる事もなく、気が付くと時刻は深夜1時を回っていた…


「ふぅ…
とりあえず、このページまでやったら寝ようかな!!」


両親は既に寝てしまい、家の中は静まり返り…
住宅地という事もあって、辺りは異様なほどの静寂に包まれていた。

時折通り過ぎる車がたてる水しぶきの音で、雨がまだ降っている事が容易に分かった…



ミシ…

ミシ…


その時…
階段の下の方で、誰かが歩く様な廊下の歪む音が聞こえてきた。

私は気にする事もなく、両親のどちらかがトイレに起きたくらいにしか思わなかった。



ミシ…

ミシ…


しかし、その足音はトイレに向かわず、階段を上がって来る様に感じた。



ミシ…

ミシ…


.