40分余り街中を揺られ、バスは自宅近くの赤い橋を渡った。


私は帰宅すると、ようやく落ち着きを取り戻してきた…

冷静に考えれば考えるほど、今日の出来事は有り得ない事の連続だった。


多分あの6人目の女が、私が書き込みを目にしたミコに違いない。


私は不意に以前ケイジが言って事を思い出した。
その時は、軽く聞き流してしまった話…


>ケイジ
電波と人間の思いは波長が似ているんだ。
特に、憎悪とかの負の思念は電波の中を流れやすい…
だから、死にたくないなら、可能な限りそういった場所に近付いてはいけない。


この話が本当だとすると、ミコは憎悪の塊…本物の怨霊?

もしそうだとしたら、私達はこれで逃げ切れたのだろうか…



自部屋の窓から、雨上がりの明るい空を見上げながらも、私の心は暗く曇っていた。


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