常時流れている最新曲だけがボックス内を満たし、誰も口を開かない…
「は…ははは、アユはきつい冗談言うんだなぁ」
アキラが作り笑いを浮かべながら、一生懸命に話を逸らそうとする。
冗談…?
下手な冗談に聞こえるのは、むしろ私の方だ。
みんなが知らないとしたら、私が見たあのミコの書き込みは一体なんだというの?
ボックス内の暖房が切れたのか、気温が少し下がってきた…
背筋がゾクゾクして、手の平に変な汗までかいている。
そういえば…
よく思い出してみると、他のメンバーとの会話がズレていた様な気がする。
嫌な予感が脳裏を過ぎる…
確かめるべきなのか、このまま冗談として笑ってごまかしてしまうべきなのか?
でも、本当に他の人が見ていないとすれば、死の念が渦巻くサイトのチャットだけに、このオフ会は危険な気がする…
その時、誰かが入力した1曲目の音楽が流れ始めた。
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