私とリサも名乗り終えると、アキラがチャットと同じ様な感覚で仕切り始めた。


最初はほとんどアキラが話てばかりだったが…

私達は徐々に会話がスムーズに進む様になり、30分ほど経った頃にはすっかり打ち解けていた。



それから更に1時間ほどが過ぎた頃…

「せっかくカラオケボックスに来ているんだから、歌おうか?」
という話になり、みんなが曲を選び始めた。


しかしその時、私が何気なくポツリと口にした言葉で状況が変わっていく…



「こんなに楽しいなら、ミコも来れば良かったのにね」


「誰?
そのミコっての…」

アキラが、下を向いて曲を選びながら聞き返してきた。

初日にあんなに話していたのに、もう忘れてたしまったのか?確かに、あの日以来名前を見ていない様な気がするけど…


「もう忘れたの~
アキラもリサも、みんなあんなに話していたのに?
私本当は会話をしばらく眺めていたんだ。
だから……


どうかしたの?」


みんなの手が止まったので、私は不思議に思い顔を上げた。


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