私は、町並に一段と目立つファッションビルを目指して歩いた…
そして、ファッションビルの角を曲がると、キャップをグッと深かく被り直し雑居ビルの前に立った。
どんな人達なのだろう…
不安と期待が入り乱れる複雑な心境で、入口を見つめた。
「ここまで来たんだ。
もう、あれこれ悩むのは止めよう…
大丈夫、きっと良い人達に違いない」
そう躊躇する自分に言い聞かせると、意を決して受付に向かった。
雑居ビルに入りヴォイスの受付に行くと、女の子が一人予約の確認をしていた。
年格好は私とほとんど変わりない…
女子高生かな?
「茶戸という名前で、予約があったと思うんですが…」
茶戸!?
さっきチャットを確認した時、あと私とリサが来ていないと書き込まれていた。
では、この女の子がリサ?
多分、私と同じ基町高校の生徒…
その時、リサと思われる女の子が振り返った!!
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