校舎の南側中央の階段を使い、3年の教室がある4階に上がると、廊下で江藤にバッタリ出会った。
江藤の方は何とも思っていない様だったが、私は脳天気な顔を見ると、一言文句を言いたくなった。
「江藤君!!
今朝、あんたの後ろ歩いてたのに…
何で私がアウトで、その茶髪がセーフなのよ!!」
私は江藤に詰め寄ると、右手の人差し指で頭を指差した。
「ふん。
お前がセコい事を考えるからだろ?
滝口は俺に借りがあるんだよ、大きいな。だから、あいつは俺は絶対スルーなんだよ!!
もう俺を犠牲にしようだなんて、間抜けな事は考えるなよ」
大きい借り…?
そう言うと、江藤はまたスタスタと階段の方に歩いて行った。
「ちょっと…
大きい借りって!?」
私の声を無視する様に、江藤は階段を早足で下りて行き姿が見えなくなった。
江藤と別れた後、教室の前に戻った時には、あんなに激しく降っていた雨は既に止んでいた…
.



