「失礼しま~す」
扉を開けると同時に中を見ると、8畳ほどの広さの部屋にファイルを収めるロッカーがあるだけだった。
私は生活指導室に入った事がなく、少し興味はあった。
しかし…
部屋の真ん中に折り畳み式の長机が2つあるだけで、余りのシンプルさにかなり落胆した。
滝口は北側の窓から外を見ていて、私が来た事にも気付いていない…
「滝口先生!!
反省文持ってきましたよ!!」
室内に響き渡る私の声で、滝口はようやく私の存在に気付いた。
「あ、ああ…
反省文だったな…
すぐに、黒に戻しておけよ」
「はい…」
なぜか、いつもの勢いが感じられない。
ここでまた、説教されるものだと思っていたのに…
「失礼しました」
理由は分からないが、私にとっては都合が良かった。
ひょっとして、雨を見ながら感傷に浸っていたのだろうか?
「有り得ない…」
私は下を向いて首を横に振りながら、教室に戻って行った。
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