ようやく解放されたが、朝から凄い不機嫌になった。

いつもの事とはいえ、あんな大勢の生徒達が通る場所で怒鳴らなくても…


教室に入ると、みんながニヤニヤと私の方を見て笑っていた。

その中をふてくされて通り抜けると、奥の窓際にある席にドッカと座った…


「見たよ~
朝っぱらから災難だったわね!!
お陰で私は助かったけどさ」

彩香が笑いながら、二つ前の席から近付いて来た。


「彩香!!
亜由美はイラついてるんだから、噛まれるわよ~」

後ろからそっと歩いて来た美玖が、私の首に抱き付いてきた。


「ふん!!
別に私も校則違反だから仕方ないけどさ…
何であんな茶髪の江藤が、私の前を歩いていたのに素通りなのよ!!」


「そういえば、いつも江藤は大丈夫だよね」

彩香が、他の男子生徒と話しをしている江藤の方を見ながら言った。


確かに、改めて思い出すと江藤が校門検査で引っ掛かった事はないな…


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