頭の中にある情報を整理していると、教室に近付いてくる足音が聞こえてきた…


ハッてして黒板の横にある扉を見上げると、彩香が平然とした表情で立っていた。


「彩香…」


私が不安そうに声を掛けると、呑気に気の抜けた返事をした。

「どうかしたの?」


「どうかしたのって…
あんたの事を心配していたんでしょ!!」

その素っ気ない言葉に怒った美玖が、机から下りると彩香にツカツカと歩み寄った。

美玖は気が短いし、性格激しいからな…


近寄って来た美玖を見て、彩香の表情が急に崩れた…

「大丈夫だったよ。"もう二度としません"って誓約書は書かされたけど…」


その言葉に、怒っていた美玖もフッと安堵した笑顔になり、彩香の肩を抱いた…


私も席を立ち上がると、二人の元に走った。



こうして、彩香の件は終息していった。


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