その時、背後から不意に強い口調で声がした。
「お前ら、余計な事に首を突っ込まない方が良いぞ!!」
「江藤…」
「あんた、いつからそこにいたの?」
江藤は同じクラスの男子生徒で、気が強くリーダーシップもある、クラスの中心的な人物だ。
何かと人の話に割り込んできては、話を掻き乱す面倒な奴でもある…
「さっきから、ずっとここにいただろ?
お前らが、気付かなかっただけだ。
日直だったからな、日誌を書いてるんだよ!!」
「ふ~ん…」
美玖が鼻先であしらう様に言うと、江藤はもう一度強い口調で言った。
「とにかく、その話には関わるな!!」
理由も言わず、とにかく関わるな…か。
何か嫌な言い方だな…
まぁ、元々あんな奴だけどさ。
でも、美玖の姉が知っているという事は、ほんの2、3年前の話だ。
それなのに、今まで聞いた事もなかったなんて…
.



