「結局…
誰も幸福にはなれなかったね」
「うん…」
「残された人達がいて、それに自分の想いも残る…
消えて無くなったりする事は、絶対にないんだよね」
「うん…」
「どんな時でも、きっとまだ出来る事が残っているはず…
まだまだ大丈夫。
でも…
追い詰められ、冷静に判断が出来なくなった時は――
信じられる友達なのか、家族なのか、恋人なのか…
救いの手は、必ず身の回りのどこかにある。
どこかに――!!」
「大丈夫。
亜由美の手は、私が強く握って離さないから」
「うん。
私も美玖の手は、絶対に離さないよ」
「ま、待ってよ!!
私は…
私はどうなるの?」
「あはは!!
もちろん、彩香もよ」
「あ、雨――…」
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