そして窓ガラスに、ポツリポツリと斜めに水滴がつき始めた。

不意に人の気配を感じ窓の外で、誰かが笑った気がした…



「先生…
先生は知っていましたね?
江藤さんがあのサイトのチャットに巣食い、メンバーを襲っていた事を…」

滝口はヒジを突いて俯いたまま、微動だにしない。


「そして…
あの日、カラオケボックスで集団自殺をする約束だった日…

先生は助けられた訳じゃなく、最初から逃げるつもりで準備していましたね!!」


「くくく…あーっはっは!!

小町…
お前は本当に頭が良いな。
その通りだ!!
この私が、なぜ生徒と一緒に死ななければならないんだ?

途中から受付を通さずに参加し、いつでも外に出られる様に扉の真ん前に座っていたんだ。

教育委員会からは注意は受けるしな、江藤にいてもらっては立場的に非常にマズかった訳だ。

心中しようと誘ったら、二つ返事だ。
本当にバカな女だ!!」


私の手は固く握られ、余りの怒りに爪が手の平に刺さっていた。

許せない…
こんな奴は絶対に許せない!!


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