その声に振り返ると、そこには江藤の姿があった。


「江藤…」

私は何か気まずかったが、彩香の話によると結局会えなかったらしいし、江藤本人は何も気にしていないのだろう…


江藤は私の横に来ると、周囲に聞こえないように小声で言った。

「お前もその格好でクリアしたって事は、滝口の弱味を握ったんだな?」


弱味?
私は特に弱味など…



あ…!!
そうか、江藤と私の共通した滝口の情報といえばミコの事か。

確かに、余り知られたくない話ではあるけど…


「しかし、滝口にもびっくりだよな。

俺は生活指導室に呼ばれた時に、偶然開いていたパソコンを覗いて見付けたけど…

お前はどうやって見付けたんだ?」


パソコン…
意味がよく分からない。
私が考えている事と違うの?


意味が理解できなくて返事がせずにいると、江藤が続けて話し始めた。

「滝口に口止めされているんだな?
まぁな、教師が自殺サイトを運営しているなんて知れたら大問題だからな…」


自殺サイトを運営…
自殺サイト!?


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