「亜由美~!!」
美玖の後ろで俯いて黙り込んでいた彩香が、美玖をはね飛ばして私の首に抱きついてきた。
「い、痛いよ!!
全身ボロボロなんだから、冗談抜きで痛いのよ!!
彩香…?」
彩香が私から離れ元居た場所に戻り、元の姿勢で声を上げて子供の様に泣いた。
私の部屋に勝手に上がり込み、目覚めると同時にまだ頭の中で何も整理できていないのにひたすら泣く2人…
私は幸せ者だ。
本当に生きていて良かった…
私も美玖と彩香の姿を見ていると、目の前が滲んでよく見えなくなってきた。
「美玖…
あんた、マスカラ落ちて目の周り真っ黒になってるよ。
彩香も…
床がシミになるから、鼻水は垂らさないでよ」
「な、何言ってるのよ。
亜由美こそ、鼻の穴膨らんでいるわよ」
「そ、そうよ!!」
泣きながら笑う3人。
いつもの時間と空間が戻ってきた。
ようやくミコの呪縛から解き放たれ、自由になった…
窓の外はもう雨が止み、水溜まりを残してアスファルトは既に乾いていた。
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