うつ伏せのまま、私はもう動く事すら出来なかった。
額の傷は出血が止まらず、キリキリと頭痛を伴って意識を朦朧とさせ…
右肩は外れて動かす事すらできず、鈍痛が続いていた。
背中は二度の衝撃によりジリジリと痛み、身体をよじるだけで激痛が走った。
ミコが近付いてきた事は分かったが、もう成す術もなく、ミコの仕上げを待つだけとなった。
ミコは私の横に立つとしゃがんで顔を覗き込み、冷笑を浮かべて髪の毛をガシッと掴んだ。
そして、そのまま玄関ロビーの方向へと歩き始めた。
髪の毛を引っ張られると普通なら痛みを感じるものだが、既に私はそんなものを感じるほど意識がハッキリとしていなかった。
プツリプツリと、嫌な音をたてながら髪の毛が時折ちぎれる…
今まで自殺に見せ掛けて殺害してきたミコは、きっと私に対しても何かシナリオを用意しているに違いない。
その為には、コンサートホールでは都合が悪いのだろう…
ミコは時々私の方に振り返っては、ニタリと怪しげに笑った。
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