右手で額を拭うと、手の平が真っ赤になり、ポタポタとジャンパーの上に黒い斑点が浮かび上がった。
階段の角に激しくぶつけた為、かなり深く切れた様だ。
しかし、今は我慢してもう一度立ち上がらなければ…
その時、視界の端ににミコの赤い靴がスッと入ってきた!!
ミコは慌てて立ち上がる私の胸元を掴むと、強く握るとグッと自分の方に引き寄せた。
「ほらほら、早く逃げないと捕まって殺されてしまうわよ…」
そう私の耳元で囁くと、そのまま人間では有り得ない力で5メートルほど後方に投げ飛ばした!!
ガツン…
後方にあった掲示板に激突し、背中に鈍い音が響いたあと前のめりに倒れ込んだ。
「グッゲホッ…」
二度続けて背中を強打し、既に私は呼吸する事すら苦しくなった…
顔を上げると、ミコが暗闇から少しずつ姿を現し…
ちょうど私の頭上にある非常灯が、あの薄ら笑いを浮かび上がらせる。
私は座ったまま後退りしながら、息を止めて立ち上がると背中を押さえながら歩き始めた。
私はもう死を意識した…
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