ユキが死んでいる!!
そ、それでは!?
入口の扉の前に立つユキの黒い影が、クルリとこちらに振り向いた。
その瞬間、練炭の目に染みる臭いが渦を巻いて私を取り囲んだ…
「も、もしかして…!!」
暗くて表情は読み取れないが、ユキが一歩私の方に向かって足を踏み出した…
頭から痺れる様な感覚があり、私の意思とは無関係に足の先から小刻みに震え始めた。
一歩、また一歩と近付いてくるユキの顔が非常灯に照らされ、暗闇に浮かび上がった。
その表情は明らかに先ほどまでとは違い…
いや、全くの別人といった方が正しいのかも知れない。
白い透き通る氷の様な肌に、全く光を宿さない冷酷な瞳で私を睨み付けている…
この感覚は間違いなくミコだ!!
「雨はまだ降り始めたばかりだから、もう少し遊んであげようと思っていたのに…」
その青紫の唇が嘲笑うかの様に動き、更に近付いて来る…
普段全く誰も来るはずのない場所…
いくら叫んでも、誰にも声など届くはずもない場所…
私はミコに誘い込まれたのだ!!
.



