ユキは俯いて、今にも泣きそうな震える声で言い返した。

「で、でも…
こんな状況で、アユを独りにする訳には…
独りにさせる訳にはいかないよ」


「ダメよ!!」

私は冷えきったユキの肩に手を置き、もう一度繰り返した。

「私だって、諦めた訳ではないの…
もしもの事を考えて言っているのよ。
大丈夫!!

だからユキは安心して、早くここから出て」


ユキは暫くその場で考えていたが、ゆっくりと立ち上がり入口の扉を見ながら呟いた。

「きっとよ…
きっと生きて再会しようね…」

そして、10メートルほどある扉に向かって歩き始めた。


私はその姿を見ながらホッと胸を撫で下ろした。

とりあえず、これで今日ユキを巻き込まずに済む…
もし私がダメだったとしても、ユキは何とか助かるに違いない。



私は入口へと進むユキの背中を見ながら、何か連絡が入っていないか確認する為、ポケットから携帯電話を取り出そうとした…


ガサゴソ


今まで気にも止めなかったが、ポケットの中に何か入っていた。


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