待ち合わせのコンビニはすぐ目の前だ。
私は陸橋の下を早足で進み、ショッピングモールの前を通り過ぎた…
コンビニの前には車は1台も止まってなく、夕方だというのに店内は閑散としていた。
私は入口の横に並ぶゴミ箱の更に向こう側に立つと、ポケットから携帯電話を取り出した。
時刻は17:31…
誰からも連絡はない。
店内を覗いても、コンビニの前の道を見回してもまだユキの姿はなかった。
とは言え、実際はオフ会の時に少しだけ一緒にいただけだから、顔はほとんど覚えてはいない…
バイトが長引いているのか、ユキはなかなか現れなかった。
確かに17:30まではバイトだと言っていたし、どこでバイトをしているのか聞いておけば良かった…
その時…
不用意に立っていると態勢を崩すくらあの強い風が、身体の左側から吹き抜けた。
「くっ…」
乱れる髪を押さえようと、左手を頭に伸ばした。
再び強風が吹いてきた瞬間、私の鼓動は徐々に早くなっていった。
吹き荒れる風に、微かに水滴が混じっていたのだ!!
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