「…商工センター、商工センターに到着します……」

ホームに降りるとすぐに、駅の構内に設置されている時計を確認した。


17:25…
あのコンビニまでは、ここから5分もあれば十分に着くはずだ。


私は早足にホームを歩くと改札を抜け、駅から直接ショッピングモールへと繋がる陸橋を渡った。


陸橋を急いで渡っている時、冷たい物が頬に当たった気がして立ち止まった。

「あ、雨…?」

両手の平を空に向け、天を仰いでみたが降っている様子はなかった。


気のせいなのか、それとも雨が降る前兆なのかは分からないが、先を急いだ方が良さそうだ。

当然、まだ美玖からも彩香からも連絡はない。
最悪、ユキに全ての情報を渡しておかないと…


平静を装うが、もう雨がそこまで来ている事を知らせる湿気を帯びた空気で、心臓の鼓動は大きくそして早くなっていった。



陸橋を渡りショッピングモールの2階へと繋がる歩道まで辿り着くと、建物の向こう側にコンビニの看板が見えた。

私は歩道から下りる階段を使い、車道に出た…


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