商店街を駅前通りへと抜けると、曇っている事もあり既に辺りは暗くなっていた。

横川駅に行くには、この駅前通りを渡り、500メートルほど進まなければならない…


私は信号が青に変わると、横断歩道を走って渡り…
そして更に、駅までの道を全力で走った。

ちょうど着く電車があれば良いのだが…



駅前の角を曲がり、タクシーが数台並ぶロータリーの横を駆け抜け、駅構内に入るとちょうど17:02発の電車が入るところだった。

私は急いで切符を買うと改札を抜け、下り電車に飛び乗った…



「ハァハァ……ふぅ」


電車の乗降口に寄り掛かり、息を整えながら溜め息を吐いた。

これなら、ユキとの待ち合わせには間に合いそうだ。
後は雨が降らない事を祈るだけだ…


車窓から目を凝らして天を見上げたが、すっかり日が暮れた空をいくら見ても、暗くて空模様など分からなかった。

私は祈る様に目を閉じた。



時間はそんな私の事など気にも止めず、刻一刻と最後の時に向けカウントダウンに入っていた…


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